目が痛い

- 角膜潰瘍(かくまくかいよう)
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角膜(黒目)の表面に細菌が侵入し、角膜を溶かすことで激痛を伴いながら視力が低下してしまう疾患です。放置してしまうと侵入した細菌が角膜を溶かし、時として角膜に穴が開いてしまいます。
治療は抗菌薬の点眼を高頻度で行う必要があります。
穴が開けば角膜移植といった治療をしなければなりません。早期に治療を開始すれば大事にならずに済みますので、症状がでたら直ぐに
受診してください。
- ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)
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「ぶどう膜炎」という聞きなれない病気について簡単にご説明します。 ぶどう膜炎とは目の組織の一部であるぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)を中心に炎症が起こる病気です。
症状は主に霞み(白っぽく見える)・羞明(まぶしい)・充血・痛みを伴い、視力が
低下するものです。
これらは放っておくと、視力が回復しないほどのダメージを負うこともあり早急に診断して治療を開始する必要があります。
ぶどう膜炎は原因が特定できないものから、何らかの病原体に感染して生ずるものまで多種に及びます。原因が特定できないものについては免疫が関係するものがあります。 免疫にも「自己免疫」というさらに聞きなれないものがあります。
免疫とは体に異物(ウイルスや細菌等)が入ってきたときに自分の身体を守るために起こす反応ですが、それが「自己免疫」では何かの拍子に自分の身体が自分(ここでは眼)を免疫反応で攻撃してしまう現象です。検査としては一般的な眼科検査のほかに、眼内の炎症がどれだけ強いかを判断するのに
重要な検査として「蛍光眼底造影検査」という網膜の血管を映し出す検査を行い現状の評価をすることもあります。
感染性ではその病原体に対して点眼・内服・注射投与で治療を行うこともあります。
また感染性でも自己免疫性でもぶどう膜に対する炎症であるため、ステロイド点眼や眼への局所注射、全身精査で問題がなければステロイドの内服を行うこともありその時の眼症状によって治療を判断しています。
- 急性緑内障発作(きゅうせいりょくないしょうほっさ)
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文字通り急に緑内障の発作が起きることですが、どういうことでしょうか。
何らかの原因により目の中の水(房水)が排水溝(隅角)から流れ出なくなり(隅角が閉塞した状態)眼圧がどんどん高くなります。通常の眼圧は10~20mHgですが、これが50mmHg以上になるなど、異常に高くなることがあります。この状態を急性緑内障発作(正式には急性原発閉塞隅角緑内障あるいは急性原発隅角閉塞症)といいます。
症状としては眼痛・頭痛・吐き気・かすみ目などで、とても激しい症状のため救急車を呼んで眼科ではなく内科や脳神経外科に搬送されるケースもあります。〈原因〉
近眼ではなく遠視(どちらかというと若い頃視力が良かった方)の目では、もともと
隅角が狭い傾向にあります。また他の遺伝的背景や加齢による水晶体の変化も関係しているといわれています。〈治療〉
隅角が閉塞しているため、目薬だけでは形態的に治るものではありません。
このためレーザーで房水のバイパスを造る治療(レーザー虹彩切開術)や
手術でバイパスを造る治療(周辺虹彩切除術)を行うことがあります。
また、多くの場合白内障(水晶体)が隅角を閉塞させていることが主な原因となるため白内障手術が必要になります。